女子社員の制服は「合理性を欠く性差別」で違法


これからの二十年、活性化が予測される訴訟とは。
私は「女性のみ制服支給は不合理な性差別であり違法」についての訴訟が頻発するのではないかと予測しています。

それに伴い、学校という教育現場においても、女子学生がパンツ制服を選択できる流れになるとにらんでおりますが、いかがでしょうか。

 

現に高校では、選択制を導入した学校もあります。

福岡県那珂川町の町立福岡女子商業高校は、二〇一七年度から私立に衣替えするのにあわせ、スカートとズボン、リボンとネクタイから選べるようにするそうです。どちらか片方だけ使ってもいいし、両方買って気分や気候で使い分けることもできるとのこと。

この流れに至ったのは、柴田晴夫校長が、地域の人権研修で性的少数者について学び、「当たり前だと思っていたことを見直す必要がある」と感じたのがきっかけということでした。もともと、自転車通学をしている生徒がスカートの下にジャージーをはいているのが気になって、「ズボンの方が動きやすいのではないか」と感じていたそうです。

柴田校長は私服にすることも考えたそうですが、「学校アイデンティティーのためには制服が必要」と、制服着用のうえで選択制にすることにし、そのうえで「女性はスカートと画一的に決めるのはおかしい。性的少数者かどうかに関わりなく、自由に選んでほしい」と話しています。
先見の明のある、柔軟な視点の校長がいたことをうれしく思います。

 

平成二十二年には、大阪高裁が新しい判決を出しました。
日本郵政公社が男性郵便局員に「長髪を切りひげを剃るよう」強制した言動が「合理的な制限」とはみとめられないとして、精神的損害の慰謝料三十万円の支払いを命じたのです。

ひげに対する顧客の意識、好悪の感情も多様化している」との判断からです。
セクシュアル面での外形的な意識基準は変化しています。近い将来、いずれ企業内で「女性スカート制服」強制が違法となっても、おかしくないでしょう。

 

男女雇用機会均等法6条では、労働者に性別を理由として、差別的取り扱いが禁止される福利厚生の措置は、住宅貸付金のほかは、「厚生労働省令で定める事項」に限られています。その中に制服を支給することは含まれていないため、現在はこの件につき、グレーゾーンのまま、女子社員のみに制服を支給することが黙認されているのです。

しかし一般的に、均等法第6条の趣旨に照らせば、女性に対してのみ制服を支給することに、合理的な理由は認められません。

厚生労働省の雇用均等室のパンフレットでも、制服については「男女とも支給しない、あるいは男女とも希望者に支給する」など、大杼で同一の扱いをすることが望ましいと謳われているのです。

 

私自身、二十年前からすでに制服着用をおかしいと思っていましたし、女性社員というだけで制服を押しつけられることにたいへん苦痛を感じてもいました。
プライベートでスカートをはくことがないわけではないけれど、職場で当然のように毎日スカート(キュロット)を押しつけられることには、違和感を覚えます。なぜなら業務遂行上の必要性もなければ、仕事能力とも何ら関連性がないからです。それは性別役割分担意識にもとづく不合理な差別であり、人格権の侵害にほかなりません。

たしかに「私服が汚れないから便利」という意見もあるでしょう。しかしそれならばパンツスーツの制服を作り、スカート(キュロット)との自由選択にし、男性社員にも同様に支給し、背広ではなく制服着用を義務づけるべきです。
もし制服に「企業アピール」や「連帯感」の意味も含まれるのだとしたら、よけいに男性社員も制服を着るべきではないでしょうか。

 

これはとある大手建設会社「〇J〇〇〇〇」に勤める女性の談です。
彼女が会社から支給されている制服の普通サイズ9号は、まるで7号のように華奢なつくりで、加えて会社指定のスカート9号は丈もひざが出るような短めのデザインで、普通体型の彼女が着てもピッチピチになるということです。とても業務遂行に適するとは思えない、との感想なのです。まるで「普通」サイズの定義が、スレンダーなファッションモデル体型を想定してるかのような。彼女は無言の「スリムプレッシャー」を感じ、物理的のみならず精神的にも就労環境での窮屈さを感じています。

彼女は短くてタイトなスカートを着用するのも嫌なので、ようやく長さがひざ下になる13号サイズを指定し、しかしそれだと今度はウエストがゆるいので、仕方なく工夫してつめて履いているそうです。

 

以下に女性のみ制服支給を義務付けることの不合理性を、私が実際に経験した不都合も含めて列挙します。

・制服によっては動きにくいものもあり、仕事がしづらい。
・総合職女性(私服)と一般職女性(制服)とのコミュニケーションが阻害され、隔たりが生じる。派閥や優劣意識が生まれる背景となりうる。
・制服着用の女子社員は職制が下に見られるため、取引先や客から容易には信頼を得られず、業務を円滑に進めにくい。
・「制服社員=お茶くみ・受付」のような性別役割分担意識がいつまでも根強く残存し、男女共同参画の実現を妨げる要因となりうる。
・女子社員に「衣装」を押し付けて女性性を「商品化」する意識は、男女雇用機会均等法に抵触する。
・性的自己決定権の自由、人格権を侵害するおそれがある。
・男女双方のセクシュアルマイノリティーへの人権配慮に欠ける。

また女子学生の制服にスカートを義務化することについて。

・(人格権やセクシュアルマイノリティーの問題に加え)制服スカートを義務付けられることで、痴漢被害を防御しにくくなる。自己防衛の権利を奪われる。

 

制服を支給するなら、パンツかスカート(キュロット)を選択できるようにし、男女ともに支給をすること。あるいは全員私服にすること。
当然と思える要件ですが、まだまだ未整備の、意識のエアポケットといえるでしょう。

 

 

 

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