うなぎ飯のおにぎり


夏目漱石の門下生であった内田百聞の短編集『東京日記』には、巨大鰻が登場する。お堀から出てきたその鰻は、電車道路に沿いながら数寄屋橋のほうににょろにょろと逃げてゆく。黒光りする胴体は牛の腹ほどもあったというから、長さにしても相当のはずだ。

実話ではなく、幻想的な昭和の怪異談である。

上記は小説ではあるが、この手の巨大生物(食材)を耳にするたび私の頭をかすめるのは、「美味しいのか?」という疑問だ。
おそらく美味しくないのだろう。繊維は固く、味も大味なのではなかろうか。ただ、「何人分のうな重が……?」という部分でまた、私の心をざわめかせる。
食いしん坊の性。

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(材料です)

さて、スーパーの鰻やパックの鰻を料亭の味に変えてしまう裏技をご紹介。
「技」というほどのものではなく、鰻の身を常温で日本酒に30分つけた後、グリルで焼きなおすだけ。しかしこの処理をするだけでパック臭の鰻が劇的に美味しくなるので、ぜひお試しいただきたい。

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(群馬の銘酒、水芭蕉。よいお酒)

 

向田邦子の子供時代の回想録で、母親と鰻を食べた思い出が書かれている。
病院帰り、母親と鰻を食べに店に立ち寄るが、母親は「お腹の具合が悪いから油ものは食べられない」といい、病弱な邦子にだけうな丼を食べさせる。実際は、二人前を頼む余裕がなかったからだ。
母親の愛情もしみこんだ、お腹も心も温まるうな丼である。

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(うなぎ飯のおにぎり。だし巻き卵にはポン酢ジュレとわさびをのせて)

 

ほんの2~3年前のことだが、テレビ番組で、不特定多数の母親を対象にアンケートを実施していた。内容は、「 自分を犠牲にしても我が子を助けられるか 」 というもので、驚愕したのは 「 分からない 」 「 助けられない 」 と答えた母親が、異常に多かったことだ。

一般の親が子供にもつ自己犠牲の愛というのは、男女問わず尊いものだと信じているし、おそらく自分も、当然備えている感情だと思う。

愛情の欠落した親が、能面のような顔で無機質に子育てをし、我が子より自分優先で生きる。

私にとっては昭和の怪異談より、こんな現実のほうが空恐ろしい。

 

 

(有馬珠子のあめぶろ)
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