はじめに ~ あなたの周りに潜む東電OL予備軍①


はじめに~あなたの周りに潜む東電OL予備軍

 

はじめに

Tさんについて書く日が来ようとは夢にも思わなかった。
Tさん   。彼女からは闇の匂いがした。 孤独な女性キャリア「東電OL」に、よく似た人。

神泉駅の傍らの薄汚いアパートで売春の果てに殺された、東京電力女性総合職第一期。丸山町の闇に消えたトップエリート。

東電OLは、社会的地位や肩書きとしては、誰もがうらやましがるものをすべて備えていた。
そしてそれはまた、Tさんも同じだったのだが。

 

Tさんと出会った十数年前、私は当時、東電OLという言葉を何気なくニュースで聞いていただけだった。彼女に対する親近感もなければ同情心もない。とりわけ深い知識はなく、彼女について積極的に情報をとりにいくこともなかった。

しかし東電OLは月日を経てもなお色あせず、さまざまな作家、媒体が彼女を惜しみ手放さない。論じ、分析し、祭り上げてはこき下ろす。

時を経てネパール人容疑者ゴビンダ氏の冤罪が報じられ、今私の目に、否応なしに彼女のことが突きつけられた。

 

女性活用推進が叫ばれ、男女共同参画が謳われ、彼女のいた時代よりも、ずっと社会は生きやすくなったはずなのに。それでもまるで東電OLのコピーのような、病み続ける女性は後を絶たない。

彼女のごとく他者の価値観を成功として設定し、ラベルに振り回されて自己を失い、本当の自分と手をつなぐことができずにギリギリの精神状態で煉獄の崖っぷちをさまよう女性たち。今にも落ちそうに中を覗いては、あわてて飛びのき、やがてフラフラと吸い寄せられて滑落する。

 

本書は私から現代女性に捧げる蜘蛛の糸である。
何人でも構わない。どうか登ってきてほしい。

 

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(平成28年10月上旬 発売)
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「あなたの周りに潜む東電OL予備軍」 有馬珠子

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