「女性の感性」イコール「幼児性」ではない


なぜこれほどまでに「女性活用」が叫ばれているのに、女性の社会進出が遅々としてすすまないのでしょうか。
いろいろな要因が交錯してはいるとは思いますが、意識的な側面から見るに、男女双方からの問題点がつねに平行線をたどり、接近していないということが挙げられます。

私はこのように考えています。
男性からの問題点→ 「性・女性」と「人間・女性」を混同する人がまだ多い。
女性からの問題点→ 「幼児性」を「女性の感性」とすりかえて自己肯定し、胡坐をかく人がまだ多い。

 

私ごとですが、ライター時代、出版社に企画営業に行くことがたびたびありました。
あるとき大手出版社の女性編集長とお話する機会があったのですが、その際、彼女は印象的なことを口にされていました。

その編集長は、当時50代。今ならもう60歳をこえているでしょうか。ふたりの子育てをしながらハードな編集業務もこなす、とても優秀な女性でした。企画の話をしていても、無駄のない的確な指示を出し、かつ、こちらの思惑を先読みして話を引き出してくれる、「デキる」女性だったことを覚えています。
私は失礼と思いながらも、つい話の流れで仕事の秘訣を聞いてしまいました。
彼女はこう答えました。

「…そうねぇ、秘訣っていうか……当たり前のことなのだけど、自分が大人になることよね…。私はこの仕事をしていて数十年、会社で泣いたことは一度もないわね。失敗でも成功でも、自分のためには泣かないわよ。でもそれって当然なのよね。だって大人なんだもの。子供って泣きたいときに感情のまま泣くでしょ。感性の豊かさや柔軟さは戦力になると思うけど、子供の感受性は会社で求められてないから。部下の成功がうれしくて目頭が熱くなったことはあったけどね。……ごめんなさい、こんな普通のことしか言えなくて…」

シンプルですが、その通りだと思いました。

社会で活用されるべき「女性の感性」というのは、泣くことや頼ること、甘えること寄りかかること、責任転嫁することではありません。ちぐはぐで論理性に乏しい感情論を述べることでもない。これらはすべて、性別とは関係のない「子供の感性」です。

本当の意味での女性の感性というのは、「自己管理できる大人の意識」がベースにあり、そのうえで「育む豊かさ」を持つということではないでしょうか。

 

精神の自立。これがベースにないと、いくら女性が社会進出してきたところで、男性上司も扱いに困ると思うのです。また、「能力を発揮してきちんと働きたい」と考えている女性にも迷惑をかけます。

なぜならひとたび「幼児性」を「女性らしさ」と認識されると、「だから女は…」というグループ先入観を持たれてしまうという現実を多く目にしてきたからです。
ここを思い違いされると、膠着状態はなかなか解消しません。「女性社会進出」「いや、しょせん女」の無限のループがえんえん続くこととなります。

もちろん人は機械ではないし、完璧でもない。

どうにも抑えきれないつらい出来事と向き合わなければならない事態もあるでしょう。そのようなときは、無理をして身体や精神に負荷を与えるのではなく、その前に周囲の協力を仰ぎ、解毒することをお勧めします。

イレギュラーなときは我慢せず、しかるべき相談機関や労働団体にコンタクトをとり、甘えて頼ってほしいと思います。
そして体調の悪いときや大変なときは、他人に甘え、頼り、ときに手を借り、回復するまでゆっくり休んでください。

 

注記したいのは、「女性の感性」というのは、何も女性限定のものではありません。男性でも持ちうる資質です。最近では、女性である私よりもソフトで共感性の高い男性にお会いする機会も増えました。
よい意味での「女性の感性」は、男性にも期待したいものです。部下を成長させる「育む感性」をもつ男性は、両性双方との意思疎通が可能な人間関係の潤滑油であり、重要なポストをまかせられる逸材なのですから。

論理性と感受性。
どちらもバランスよく備えた、自己コントロールできる真の大人が、男性でも女性でも、今、求められているでしょう。

 

 

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